はじめに
冬期休暇をみなさんはどうお過ごされましたか? 当院の体外受精治療も2019年11月
より開始いたしましたが、2020年12月に無事1年1か月を経過いたしました。前回は
2020年6月までの治療成績を開示いたしましたが、今回2019年11月から2020年10月
までの治療成績をまとめましたので、お知らせいたします。
期間・対象
当院で2019年11月から2020年10月までに体外受精ー胚移植をされた111周期が対象
です。
34歳以下 50周期 平均31.52±2.27歳 35歳から39歳まで39周期 平均36.62±1.31歳
40歳以上 29周期 41.86±1.68歳です。
いずれの年齢も融解後の胚の生存率は100%でした。
結果
妊娠率は、それぞれ62%(31/50)、53.85%(21/39)、27.59%(8/29)でした。
臨床妊娠率は、58.0%(29/50)、46.155(18/39)、24.14%(7/29)でした。
まとめ
前回8月にお伝えした結果よりも若干臨床妊娠率の低下が認めましたが、
症例数の増改に伴うものと思われます。学会の報告での臨床妊娠率と比較
して遜色ないものと思われますが、以前流産率の高さが気になります。
流産されたすべての方が、POC検査(胎児絨毛検査)を希望されている
わけではないので、流産原因はすべて特定できているわけではありません。
不育検査を行ったところ、プロテインS活性が低いことやNK活性が高いこと、
またTSHの妊娠後の上昇なども原因として挙げられますがあくまでもPOCでの
結果があり、異常ないことが前提ですが、今回はそこまで掘り下げられては
おりません。
引き続き研鑽を重ねて臨床妊娠率の上昇と流産率の低下を目指して治療を
行ってまいります。
今後ともよろしくお願いいたします。