精子の動きを悪くしたり、精子の数が極端に少なくなったりする原因として精索静脈瘤があります。

 

精索静脈瘤とは?

精巣やその上の精索部に静脈瘤(こぶのように静脈の拡張)が認められる状態のことで、静脈を逆流のことで、精巣が肥大する病気です。精巣の温度が上昇することにより、精子を造る能力が悪化するといわれています。左側の精巣に比較的多く起こるといわれており、男性不妊症や陰嚢痛の原因と考えられています。一般的には症状はありませんが、立っている時間が長くなるにつれ痛みが増してきます。自分で見てすぐにわかるほど瘤が大きくできていることもあれば、自分では気づかないこともあります。一般男性の15%に、男性不妊症患者の約20-40%以上の人に認められます。

治療は?

精索静脈が逆流しないように縛る手術をすることによって治療を行います。具体的には、局所麻酔のもと、顕微鏡と超音波血流計を使用して精索静脈のみを特定して精巣への静脈の逆流をなくす手術(精索静脈低位結紮手術)を行います。

精索静脈瘤は手術をすると約50-70%の方が精液所見が改善し、お子さんを授かる方がいらしゃいますので、男性不妊症に対して一般的に行われる治療です。

最後に

自分でみても分かるぐらい大きな静脈瘤がある方は比較的少ないかと思われます。精液所見が良くても悪くても、一度も男性外来を受診されたことがない方は、受診をお勧めします。隠れ精索静脈瘤があるかもしれませんよ。