ちょっと今話題のキーワードを入れてみました。 今回は風疹についてお話をしていきます。
風疹とは
風疹は発熱・発疹・リンパ節腫脹を特徴とするウイルス性発疹症です。感染しても症状が出ない場合(非顕性感染)や、関節炎を伴う場合、重篤な合併症(脳炎など)併発まで幅広く、臨床症状のみで風疹と診断することは困難な疾患です。上気道粘膜より排泄されるウイルスが咳やくしゃみなど(飛沫)を介して感染します。そしてインフルエンザと同様に、接触感染でも感染します。
妊婦検診と風疹抗体検査
妊婦検診の検査項目に風疹抗体の有無があります。これは妊娠した状態(20週まで)で風疹に罹ってしまうと赤ちゃんに重篤な合併症が生じてしまう可能性があるからです。血液で抗体検査をして抗体を持っていない、もしくはHI抗体価が低い(≦16)場合は妊娠中はなるべく人ごみの多いところに行かないように指導します。風疹ワクチンは存在しますが、生ワクチンであるために妊婦さんには投与できないからです。
風疹の発症報告の現状とは?
一時期、風疹の流行についてニュースで賑わっていましたが、最近はあまり報道されることはありませんね。東京都感染情報センターのHPから抜粋しました。
今年に入ってからの流行状況です。東京都の発症報告状況です。あくまでも発症報告なので報告されていないケースも数は分かりませんがあると一定数いると思われます。
次のグラフは2010年からの報告数です。新聞やニュースで大騒ぎしていたのは2013年でした。そのときは3500人/年近く感染報告がありました。過去10年で発症報告が多かったのは2018年で1000人弱/年です。そして2019年はまだあと3か月残っていますが、2018年に迫る勢いです。
最後のグラフは2015年から2019年までの週ごとの発症報告数です。下半期から発症した2018年と比較して、上半期にある程度発症したのが2019年です。このまま鎮静化するか2018年の様に報告数が上昇してくるかは不明です。
上記表によると風疹抗体が低値か抗体を持っていない方もいらっしゃいます。多少熱があっても会社に出勤している方は多いかと思われます。自分が気づかないうちに風疹に罹っており、出勤中の電車やバスで隣の人、会社で同僚を接触して感染を広げることはある話です。自ら感染しないようにすることそして他人に感染させないようにすることが非常に重要です。
厚生労働省は2018年12月11日、成人男性に対する風しんワクチンを定期接種の対象にすると発表しました。抗体を保有していない39歳から56歳(平成31年3月1日時点)の男性は、全国において3年間、原則無料で予防接種を受けることができるようになります。無料で抗体検査をして必要があれば無料でワクチン接種が可能ということです。
受けるのは今!
クーポン券を配布中!昭和37年度~昭和53年度生まれの男性の皆様へ
あなたと、これから生まれてくる世代の子どもを守るために風しんの抗体検査と予防接種を受けましょう!風しんが今も流行しています。
風しんは、成人がかかると症状が重くなることがあります。また、妊娠初期の妊婦さんに感染させてしまうと、生まれてくる赤ちゃんの目や耳、心臓に障害が起きることがあります。昭和37年度~昭和53年度生まれの男性の皆様に、お住まいの自治体から、原則無料で風しんの抗体検査と予防接種を受けていただけるクーポン券をお送りしています。
この年代の男性の皆様には、過去に公的に予防接種が行われていないため、自分が風しんにかかり、家族や周囲の人たちに広げてしまうおそれがあります。
この年代の男性の皆様がこれから抗体検査を受け、必要な予防接種を受けると、免疫を持っている人が増え、風しんの流行はなくなると言われています。
あなた自身と、これから生まれてくる世代の子どもを守るために、ぜひクーポン券を使って風しん抗体検査と予防接種をお受けください! (厚生労働省HPより)
検査結果が風疹抗体の基準を下回っている方へ
風疹ワクチンは接種されましたか? 妊婦検診中に、「風疹に感染しないか不安です」という声を聞きます。妊娠前にワクチンを投与しておくことで、不安が解消出来ます。
快適な妊婦生活を送りたいと思いませんか? それではワクチンの接種の効果や副作用、注意点はどういったものがあるのでしょうか?
風疹ワクチンの効果は1回接種で約95%、2回接種で約99%のため、現在は、非妊娠期に2回のワクチンを接種することが奨められています。
予防接種の安全性
2006年度から定期接種として麻疹風疹混合ワクチンが用いられるようになり、風疹ワクチンの接種者数は減少していますが、風疹ワクチンは、副反応の少ない非常に安全なワクチンの一つです。しかし、重大な副反応として、まれにショック、アナフィラキシー様症状、全身のじんましんの報告があります。また、まれに(100万人接種あたり1-3人程度)急性血小板減少性紫斑病が報告されています。その他の副反応として、発疹、紅斑、掻痒、発熱、リンパ節の腫れ、または関節痛などをみることがあります。成人女性に接種した場合、子供に比して関節痛を訴える頻度が高いといわれています。
国立感染症研究所のHPより
いかがだったでしょうか? 風疹の発症報告状況から入って風疹抗体の意義やワクチンの必要性、ワクチンの効果、副作用についてお話してきました。ワクチン接種したら2か月間は避妊の必要があることを補足しておきます。
あなたの番です
何があなたの番なのでしょうか? 風疹に罹ってしまうことでしょうか?
いいえ違います。このサイトは妊娠を希望される方がご覧になっていると思います。そしてすでにクリニックを受診して、風疹抗体検査を行っていると思います。
風疹ワクチンの存在はご存知ですか? またクリニックを受診されていない方でも市町村の行政サービスで風疹抗体の有無を確認することができます。まだ検査を受けられていないのであれば検査を受けていただきたいです。 対象年齢に該当する男性も無料で抗体検査ができるのですから是非!! あなたの番です
風疹ワクチンの重要をご理解いただけたでしょうか? 当院でも風疹・麻疹混合ワクチンを取り扱っております。電話予約の上、来院されてください(予約発注のため)。よろしくお願いします。
予約は03-6450-7588 まで お待ちしております。