以下の質問がありましたので、共有させていただきます。
2019.10.27 Q&A12 も 参考にして下さい。
Q年齢:29歳 ・AMH:5.0
1回目OPU: > D4-D9 クロミッド1Tを6日間内服
D6,8,10でゴナールF150単位、
D11 フェリング300単位+セトロタイド1A
D11 トリガー ブセレキュアを23時、24時に噴霧
D13で採卵し採卵数5個(うち1個MⅡ、4個MⅠ)
血液検査推移:(卵胞数)
> D4:LH 8.7、FSH 8.5、E2 42.1(9個)
> D10:LH9.3、E2 937.8(5個)
> D11:LH 6.5、E2 1537.2、P 1.46(6個)
2回目OPU: >D3〜D9クロミッド1錠を6日間内服
D4,6,8,9ゴナールF150単位、
D10フェリング225単位, セトロタイド1A 、
D11フェリング150単位, セトロタイド1A
D11 トリガー オビドレルを21時、ブセレキュアを23時、24時
D13で採卵→採卵数1個 > (他の刺した卵胞は全て空胞)
血液検査推移:(卵胞数)
> D4:LH 4.5、FSH 9.1、E2 37.3(14個)
> D8:LH 7.8、E2 742.1(6個)
> D10:LH 6.1、E2 1502.8、P1.2(8個)
> D11:LH 3.1、E2 2181.5、P 1.32(9個)
A
ご年齢とAMHから判断すると取れる卵の数がもう少し欲しいところです。
中刺激(マイルド法)というジャンルに入りますが、OHSSを意識しての刺激なのかもしれません。
エストロゲンは1個あたりあなたのご年齢なら200ぐらいの量が分泌されますが、1回目は1500ぐらいですから7-8個ぐらいの卵が取れても良いでしょう。2回目は10個ぐらい
何時に採卵するかによりますが採卵が8時30ぐらいとして23時、24時のトリガーは遅いかなという印象があります。
おそらくD11 トリガーをかける日にセトロタイドを使用しているためトリガーを実施する時間を遅くした可能性があります。
LHがよほど高くない限りはセトロタイド(アンタゴニスト)を毎日使用する必要はないかと思います。
トリガーはもう1時間早くてもよいのではないかなと思います。
また今回の刺激で分かったことは、E2の上昇にともないearly Pと言ってプロゲステロンが早めに分泌されるようなので新鮮胚移植は向きません。
新鮮胚移植を希望であれば、低刺激がよいかもしれません。
空胞率は20%程度なので、だとすると2回の採卵の成績はちょっと悪いですね。トリガーをかける日のセトロの影響も否定できません。
やれることは5つあります。
まずは高刺激です。できれば卵は10-15ぐらい確保したいです。しかしOHSSになる可能性がありますので、そこは対処する必要があります。
入院はしないとしても若干お腹の張りはでてしまうかもしれません。
また成熟率対策として
- イノシトール4g/日内服
- ダブルトリガー hCGとブセレキュア
8時30から採卵として
22時と23時(ブセ合計2*2 プッシュ)22時30分(HCG) - 採卵日の後方移動 (日程を遅らせる)
- トリガーをかける時間を1時間早くする
卵胞液を吸引した後に培養液を用いて卵胞内を洗浄する方法は、治療成績に影響がないということになっていますのでお勧めはしません。
以上です。なかなか結果が出ずにつらい思いをされているかと思いますが、まだまだ出来ることはありそうです。
今の病院で対策を提案していただけないのであれば、結果は同じかもしれません。
ご自身が治療法に納得いく形で治療を行って欲しいと思います。
もう一度いいますが、
まだ出来ることはあると思います。 決して悲観的にならず、前向きに考えてください。
このブログがその一歩になれることを祈っています。
ブログをお読みの皆さんで治療法に悩みなどありましたら、坂口へ投げかけてみてください。
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